2009年11月9日月曜日

由佳の本棚(11月)

 
毎月第2月曜日にお送りしている「由佳の本棚」。
岡山市のNTTクレド岡山ビル、4階と5階の紀伊国屋書店を歩いて、気になる本を見つけ、その本を読んで、紹介するコーナーです。
今月は、公開中、もしくは、これから公開予定の映画の、原作を紹介しました。
 
【佐々木譲 著/笑う警官】
シリーズ130万部を突破した、佐々木譲の「北海道警シリーズ」一作目です。
実際に起きた北海道警の事件を元に、作っているらしいですよ。
原作は、とにかく展開が早い。
え~~~~、こんなにすぐ証拠が見つかるの!?とも思ったりもしますが、ここは物語。
ハラハラどきどきできればいいんです。
展開の早さという点では、映像にはもってこい!!
裏切られたり裏をかいたり・・・・主人公・佐伯宏一の戦略に、読んでるあなたも踊らされること間違いなしです。
11月14日(土)から岡山メルパ他で上映予定。
 
【松本清張 著/ゼロの焦点】
主人公の禎子は、お見合いで広告社につとめる鵜原憲一と結婚します。
ところが、新婚旅行を終え、仕事に見送った後、夫は失踪。
夫の行方を追って、禎子は前任地の金沢に向かいます。
そこで夫の過去を知り、その過程で、禎子の周りの人が死んで行くのです。
このゼロの焦点、私は、主人公の禎子が一番怖かったです。
だって、知った情報を、警察や周りの人に教えないんだもん。
最初に警察に話しておけば、死ななくて済んだ人が複数いました!!
その禎子の恐ろしさを、是非、行間から読んでいただきたいです。
映画は、11月14日(土)から岡山メルパ他で上映予定です。

 
【山崎豊子 著/沈まぬ太陽】
物語の主人公は、国民航空の恩地元。
労働組合長として職場環境を良くするために会社とたたかい、その結果、10年もの間海外勤務を命じられます。
勤務先は、パキスタン・イラン・そしてアフリカ。僻地ばかり。
その後、国民航空の飛行機が御巣鷹山で墜落。
恩地は遺族の世話に当たります。
その後、新しい会長のもと重要ポストに就いて会社と戦いますが・・・・一人の人間が、ここまで会社にいじめぬかれ、それでも自分を見失わずに生きていく物語です。
原作には原作の良さ、映画には映画の良さがありました。
いい作品にであえて本当によかったです。
 

【三浦しをん 著/風が強く吹いている】
私が一番好きな青春スポーツ小説です!!!!!!
ただいま、映画上映中ということで、1年ぶりに読みました。
才能に恵まれながら、走ることに見はなされていた二人の大学生が出会い、同じ寮に住む、陸上未経験者と一緒に箱根駅伝を目指す物語。
そんなの無理!って思うでしょ。
私も最初はそう思ってた。でも、涙なしでは読めない小説です。
三浦さんの本を読んでいつも思うのが、登場人物への三浦さんの愛情です。
この作品は、ハイジとカケルが主人公だけど、ほかの箱根メンバー8人も、丁寧に描かれていて、箱根での描写も心を打つものばかり。
映画も本もハンカチが必要です。
  
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